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名古屋大学 集中講義「アクティブマターの物理学」

お知らせ:補講について

集中講義で時間切れとなってしまった「第6章 アクティブ液晶」について、宮崎先生のご厚意により、補講をさせて頂けることとなりました。以下の要領で実施します。皆さまのご参加を歓迎いたします。

  • 2022年7月27日(水)15:00-16:30頃
  • Zoomのみで実施します(要事前登録:こちら)。※集中講義とは別に登録が必要です。
  • 本補講は、便宜上、名古屋大学で開催された正規の集中講義の「補講」と呼んでいますが、名古屋大学やシラバス上の講義とは一切関係なく実施するものです。従って、集中講義の履修生の参加は任意ですし、出欠もとりません。履修生の成績にも一切関係はありません。
  • 集中講義に参加されなかった方でも、補講への参加を歓迎いたします。

その他のお知らせ

  • スライド(4-6章)の誤植を直しました。
  • レポート5で評価すべき自由エネルギーの式中にある log の引数が負の場合についての質問がありましたが、引数にあるべき絶対値が抜けていました。改訂版スライドでは誤植を直してあります。

集中講義日時

2022年
7月4日(月) 10:30-12:30(講義), 14:00-16:00(講義)
7月5日(火) 10:30-12:30(講義), 14:00-16:00(談話会)
7月6日(水) 10:30-12:30(講義), 14:00-16:00(講義)

場所

  • 名古屋大学 野依記念学術交流館 カンファレンスホール(道順
  • Zoomでも配信予定(要事前登録:こちら
  • 対面参加には定員があります。希望される方は、必ず7月3日までに、世話人の宮崎先生までご連絡ください。定員になり次第締め切りとなります。

講義の概要

生物個体や細胞等を念頭に、自発的に運動する粒子の集団を、ある種の非平衡物質「アクティブマター」と考えてみよう。その物理的特性や集団現象等を開拓する分野が「アクティブマター物理学」である。アクティブマターとは何か、どのような非平衡集団現象や特性が現れて、それが物理学としてどのように記述されるのか等の基礎事項を習得し、アクティブマター物理学を概観することが本講義の目的である。

講義では、以下を到達目標とする。

  • アクティブマターの定義や特徴を理解し、どのような分類が行われているか、実験例とともに把握する。
  • アクティブマターの構成要素である自己駆動粒子について、Vicsekモデルや active Brownian particle などの代表的モデルの定義と主要な結果を理解する。
  • アクティブ流体やアクティブ液晶について、流体方程式を理解し、それに基づいて現象を整理する。
  • 集団運動をはじめ、アクティブマター系で現れる非平衡相や、それに関する相転移・相分離現象についての概要を把握する。

目次

以下のテーマを扱う予定であるが、講義の実施方法や進行状況によって変更や割愛の可能性がある。

1. アクティブマターとは何か
2. 自己駆動粒子
3. 集団運動の相転移
4. アクティブ流体
5. 運動誘起相分離
6. アクティブ液晶

講義資料

スライドにはパスワードがかかっています。パスワードは講義中にお知らせします。

録画について

本講義は、オンデマンド履修への対応と、個人利用用の教材として活用するため、録画をさせて頂きます。録画した映像を一般公開することはありません。

録画により参加者の皆さんが質問し辛くなることがないよう、ご希望の場合に質疑応答部分の削除をさせて頂きます。その旨ご希望であれば、ぜひお気軽に、以下の申請フォームから登録をお願いします。削除依頼されることをぜひ遠慮されず、講義中に積極的に質問をして下さることを期待しています。

映像編集依頼フォーム

シラバス上の講義名称

物性基礎論特別講義A,C,4(授業番号:2601063)

談話会:「アクティブマターのガラス転移とバクテリア実験」

日時:7/5(火) 14:00-
場所:講義と同じ(名古屋大学 野依記念学術交流館 カンファレンスホール, Zoom)

生物個体や細胞等を念頭に、自発的に運動する粒子の集団を「アクティブマター」と呼び、その物理的特性や集団現象等が熱心に調べられている。特に、非平衡物質としてのアクティブマターにどのような物質相が現れるか、それが熱的な系の物質相とどう違うかを理解するのは重要な課題である。

本談話会では、アクティブマターで見られるガラス状態「アクティブガラス」に焦点を当てる。前半は、ガラス系の一般的な特徴を紹介したうえで、アクティブガラスとは何か、実験例や、アクティブガラスの特徴などについて概観する[1]。後半は、高密度バクテリア集団を用いてアクティブガラスを実現した我々の実験[2]を紹介する。運動性の大腸菌集団を均一な環境下で培養し、増殖させることで、ガラス転移が起きる。我々は、ダイナミクスの急激な鈍化や動的不均一性などのガラスの特徴をバクテリア集団でも確認した一方で、通常のガラス系とは異なる性質も見出した。講演では、バクテリアガラスと通常のガラスの間の共通点や相違点などについて整理し、細胞の形状や運動、非平衡性などの特徴がどのように関係しているかを議論したい。

[1] アクティブガラスについてのレビュー:L. M. C. Janssen, Active glasses. J. Phys.: Condens. Matter 31, 503002 (2019). [link]
[2] H. Lama et al., Emergence of bacterial glass: two-step glass transition in 2D bacterial suspension. arXiv:2205.10436 . [link]

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